日本酒の味わいを語る上で、「甘口」や「辛口」だけでなく、もうひとつ重要なキーワードがあります。それが 酸味 です。
■ 日本酒の酸味ってどんな味?
酸味と聞くと、「すっぱい」というイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし日本酒における酸味は、レモンやお酢のような鋭い酸味とは異なり、もっとまろやかで複雑な旨味を伴った酸です。
この酸味があることで、ただ甘いだけ、ただ辛いだけで終わらない、深みとキレのある味わいが生まれます。
■ 日本酒の酸味はどこから来るの?
酸味の主な成分は、以下のような有機酸です:
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乳酸(やわらかくコクのある酸味)
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リンゴ酸(さっぱりとしたフルーティーな酸味)
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コハク酸(旨味と苦味のバランスを持つ)
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酢酸(香り高く、インパクトのある酸味)
これらは、酒母やもろみの発酵過程で自然に生まれ、酵母の種類や製造方法によって量やバランスが変わります。
■ 酸味があると、どんなメリットが?
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料理とよく合う:特に脂っこい料理や、塩気のある料理と合わせると口の中がすっきりします。
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飲み飽きしない:甘味や旨味に偏らず、味に立体感が生まれます。
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香りの印象を引き締める:フルーティーな吟醸香とのバランスが取れます。
■ 酸度という指標
日本酒には「酸度」という指標があり、これは酸の量を数値化したものです。
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1.0前後:軽やかで優しい酸味
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1.5以上:しっかりした酸味とコクがあるタイプ
たとえば弊社の「Genryu Takatsugawa Sumikawa Junmaidaiginjo」は酸度1.6。しっかりとした酸味が特徴で、辛口ながらもダレずに地酒らしいストロングな味わいを演出しています。
■ 最後に:酸味を味わうコツ
酸味を感じやすくするには、以下の方法もおすすめです:
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少し冷やして飲む(酸味が引き立つ)
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脂のある料理と合わせる(酸が味をリセット)
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同じ銘柄で温度を変えて飲み比べてみる
「酸味」は、隠れた名脇役。ぜひ日本酒を選ぶときの新しい視点として取り入れてみてください。