酒づくりは「時間」と「手間」の芸術です。
私たちが日々楽しんでいる日本酒は、実はとても繊細で時間のかかる工程を経て生まれています。今回は、日本酒がどのようなステップで造られ、どのくらいの期間が必要なのかをご紹介します。
■ 日本酒の主な製造工程と日数目安
工程 | 内容 | 期間の目安 |
---|---|---|
精米 | 酒米の外側を削って、雑味を減らす | 数時間〜数日 |
洗米・浸漬・蒸し | 米を洗い、水に浸し、蒸しあげて準備を整える | 1〜2日 |
麹づくり | 蒸米に麹菌をふりかけ、発酵の元となる「麹」を育てる | 約2日間 |
酒母づくり | 酵母を育て、アルコール発酵を助ける元となる「酒母(酛)」をつくる | 約10〜14日 |
仕込み(三段仕込み) | 酒母に麹・蒸米・水を3回に分けて加えていく伝統的な仕込み方法 | 約4日間 |
主発酵(本仕込み) | 約20〜30日かけてアルコール発酵を進める | 約3〜4週間 |
搾り・濾過・火入れ | 発酵を終えたもろみを搾り、酒と酒粕に分け、必要に応じて濾過・加熱殺菌を行う | 1〜3日程度 |
貯蔵・熟成 | 酒質を安定させ、味を整えるために一定期間貯蔵 | 3ヶ月〜1年程度 |
瓶詰め・出荷 | 味の最終調整をして瓶詰め。出荷準備をして店頭へ | 数日間 |
■ 合計でどのくらいの期間がかかる?
酒母づくりから数えると、約1ヶ月〜2ヶ月程度で日本酒は完成します。
しかし、熟成期間まで含めると、3ヶ月〜半年以上かけて出荷される日本酒もあります。
■ s.grace のお酒の場合は?
s.graceの日本酒は、吉賀町産の酒米を使い、伝統的な手法で丁寧に時間をかけて仕込みます。香りや味わいをしっかりと引き出すため、発酵・熟成期間にもじっくりと時間をかけ、地酒ならではの深みある味わいに仕上げています。
たとえば、「Genryu Takatsugawa Junmaidaiginjo 原酒」は、香りと旨味のバランスを追求しながら、原酒として瓶詰めすることでフレッシュさも大切にしています。
日本酒は「季節と向き合うお酒」
日本酒づくりは、日々の気温や湿度、水の状態と対話しながら進める「生き物」との対話のような仕事です。そのため、1本1本が「旬」と「時間」の結晶とも言えます。
次に一杯の日本酒を口にするとき、ぜひその背景にある時間の物語も感じてみてください。